パソ壁紙を夏目にするか、片倉殿にするか迷ったのですが、
やはり煩悩の赴くまま、片倉殿のアップにしました・・・。
パソ立ち上げるたびに、ドキドキします(真実)
BASARAネタは次回アップするとして。
続きより 夏目の小話と コネタ写真です。
ちょっと田夏風味。
お嫌いでなければどーじょー。
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「妖怪って、なんかいい声のやつが多いよな」
夏目が、何の気なしにぽつりと漏らした一言は、
隣りで欠伸をしていた猫のヒゲを、ぴくりと動かした。
「お前が言っているのは、この私を筆頭に、だろうな」
「ニャンコ先生は妖怪っていうより、もはやオバケ猫だろう」
「なにをーっ!色気満タン且つ品のある私に向かってなんたる
口の聞き様だ!」
「色気?食い気の間違いだろ」
「ぬぬぬ、締めてやる!」
しばし埃が立つような争いが勃発したが、終わってしまえば双方とも
いつもの喧騒の一部として、さらりと日々の流れに忘れ去ってしまった。
本人達があっさり忘れてしまったその諍いの内容が、一人歩きを始め
あれよあれよという間に一帯に住む妖達に伝わっていくとは、どちらの
想像だにしていなかった。
数日後、ほぼ日課となったニャンコ先生との散歩中、ひらけた草むらに差し掛かった
夏目の上に、白い煙と共に巨大な姿が影を作った。
「夏目殿、お久しぶりでございますな。私をお呼びになったかな」
「な、三篠、何しに来た!お前なんぞ呼んでおらんわ!」
「つぶれ猫ダルマには、関係ないわ。
私は、夏目殿に呼ばれたと感じたので来たまでだ」
「え、おれ呼んでないけど・・・」
バッサァ
「どうした、人の子。私に会いたくなったのかぃ?」
「え、リオウ!?」
「お前 人里には降りぬと宣言しておったろうが!」
「夏目が呼んだのなら別だよ。
お前には借りがあるからね。私の声が聞きたいなら、
呼んでくれればいつでも降りてくるよ」
「声?何のことだ?」
「なぁっつめーーー!」
ドカン!
「よぉ、夏目、元気だったか!」
「・・・・・・・アカガネ。体当たりは挨拶じゃないぞ」
「そんなことは知っているに決まっているだろう!
アサギもお前に会いたがっていたがな、今は眠っている」
「そうか。二人とも元気そうでよかった。
で、何しに来たんだ?」
「そうだ、お前 アサギの里にいったんじゃなかったのか!?」
「アサギの体を元に戻せる術がないか、各地の隠れ里を
回って調べているのさ。そしたら、お前がおれを羨ましがっている
と聞いてなぁ」
「へ?羨ましがってなんかいないぞ!」
「そうだ、お前のどこを羨ましがるというんだ!」
「参りました」
「ス、ススギまで来たのか!」
「参りました」
「わかってるよ!」
「夏目殿、まだ何かお困りか」
「わ、三つ目の妖怪!」
「夏目殿、ずいぶんとフィーバーフィーバーですな」
「垂申、きさま水底で眠っておるのではなかったのか!」
「相変わらず、人の子の分際で大それたことをするものよ」
「鼠!もうタマはいないの知ってるだろ!」
「夏目殿、楽しそうだのぅ」
「騒がしいのが好きだな、人の子よ」
「露神に時雨様!?成仏したんじゃなかったのか!」
「なつめさまー、ワシらは入らんのですかー」
「なつめさまー、入れて、入れて」
「何に入りたいっていうんだ、中級!」
「いい声の妖と言われたら、来ないではいられないのであります」
「ちょび、今何て言った?」
「ですから、いい声の妖を呼ばれるなら、この私であります、と」
「いい声っていうのは、この私の声のことだー!!」
「斑、お前の声はただの猫ダルマの出す声に過ぎんだろうが」
「不細工声というやつだな」
「うむ」
「ぬぬぬ、言わせておけば!」
あんなに広々としていたはずの草原が、急激に狭くなったと感じるほど、
大小入り混じった妖怪達が、声高らかに自分が一番よい声だと主張し合っている。
その喧しさに、思わず夏目が耳を塞ぎたくなったとき。
「夏目、どうかしたのか?」
喧騒の合間を縫って耳に届いたのは、苛立つ心の波まで抑えてくれるような
穏やかな声だった。
「・・・・・・田沼?」
お互いを牽制することに忙しい妖怪達は、その場に現れた黒髪の人間には
気づいていないらしい。
一方、彼らの体の合間から顔を覗かせた田沼は、心なしか顔色がよくないように
夏目には見えた。
「田沼、大丈夫か?」
夏目は思わず彼に駆け寄って、妖のいないほうへと手を引いて連れて行く。
その手の力強さにも、田沼は何かを悟ったようだった。
妖怪達から かなりの距離を取れたところで、ようやく夏目は田沼の手を離した。
手の平から温もりが消えた瞬間に、自分がずいぶんと馴れ馴れしいことを
してしまったような気がして、夏目は焦りの色を浮かべた。
「ご、ごめん田沼、思わず手なんか握っちゃって・・・」
「ああ、気にしなくていいんだ、夏目。なんとなくわかったから。
さっき、夏目の姿が見えて、困ったような顔をしてるなぁと思ったら、
急に 頭がくらくらしてきてさ・・・。
もしかして、俺がさっきいたところに、 妖怪がいたのか?」
穏やかな笑みを浮かべて訊いてくる田沼を前にすると、いつも夏目は誤魔化す術を
無くしてしまう。
他の皆に対するように、なんでもない、の一言で誤魔化せば済むはずなのに。
「ああ、ものすごい大人数、いや大妖怪数っていうのかな、とにかく沢山
集まっちゃってさ・・・・。
顔合わせれば口喧嘩を始める連中だから、もう五月蝿くて五月蝿くて」
「そうなのか。じゃあ俺の声が聞こえたのは奇跡に近かったのかな。
それとも、たまたまそいつらが静かになったときだったとか」
そう言われて、夏目はふと気づいた。
妖怪達の激しい言葉の応酬が切れたことはない。
田沼の声がしたのは、まさにその真っ只中だったはずなのに。
『・・・・・・おれの耳は、随分正直なんだな』
「どうした、夏目、急に赤くなったりして。やっぱり具合悪いのか?」
「い、いや違う、違うんだ!何でもない!」
こればっかりは、田沼の視線がどんなに自分を責めようとも、
本当のことを言うわけにはいかない。
君の声が、一番好きだなんて。
おわり。
※5/30 ちょっと訂正しました。
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以下の写真は、大好きな夏目サイト様に敬意を表して。
というか、ただのラブコール??
※クリックでちょっと大きくなるはず。
・ニャンコ先生と黒ニャンコとリプトン。
毎度ながら写真の腕が悪く、
本来なら主役の先生がピンボケという
結果に・・・;;
・おまけ。
アイスにかぶりつくニャンコ先生。
高級品なんだから、もっと大事に!
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先生なんでも食べる気がしますよ・・・。
でもアイス食べ過ぎて、後で「夏目腹が痛いぞ!!」とか唸ってそう(笑)
でもピエールマルコニーニを食べ過ぎられたら、夏目の懐のほうが痛いと思います;
夏目を読んだり(原作)見たり(アニメ)していると、世界って
結構優しいものなんだなぁと思います・・・癒しでやんす。